今後20年で地価が上がる都市、下がる都市はどこ? 観光地別、最も投資に最適な地域を予想してみた

2015年09月24日・プレミアムバリューバンク

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  • オリンピックの決定以降、首都圏の不動産価格の高騰が続いています。投資目的で購入を検討されている方も多いと思いますが、グローバル化が進む現在、日本の不動産を購入しているのは日本人ばかりではありません。
    特に中国人投資家による観光地の不動産一括購入が盛んに行われ、大きく価格を上昇させている地域もあります。
    今回は投資対象として注目されている観光地エリアの20年後の価格を、地価公示価格や人口動態などのデータを用いながら、大胆に分析します。
    「あの時、買っておけばよかった」と後悔しないために、今から20年後の準備を始めてみませんか?

  • 3年連続上昇!全国的に回復傾向にある2015年の地価動向
    全国地価公示価格の推移

  • 一坪単価(円) m2単価(円) 上昇率
    2011 575,000 174,000 -1.51%
    2012 563,000 170,000 -1.94%
    2013 565,000 171,000 0.19%
    2014 579,000 175,000 2.48%
    2015 595,000 180,000 2.84%
  • (平成27年版土地白書より抜粋)

  • 2015年エリア別!地価公示価格上昇率

  • 住宅地 商業地
    全国 -0.4%
    下落幅縮小
    0.0%
    横ばいに転じる
    3大都市圏 0.4%
    上昇を継続
    1.8%
    上昇を継続
    地方圏 -1.1%
    下落幅縮小
    -1.4%
    下落幅縮小
  • (平成27年版土地白書より抜粋)

    毎年1月1日に国土交通省が発表している地価公示価格。土地鑑定委員会による調査によって、全国の土地価格を公示するものです。
    2012年まで下落傾向にあった地価公示価格ですが、この3年間は上昇を続け、
    高騰が目立つ都市圏の土地価格だけでなく、商業地の全国平均価格が7年ぶりに「下落」から「横ばい」に転じるなど、全体的に地価の回復傾向が見られました。

  • 地価高騰は首都圏だけじゃない!外国人投資家も注目の日本の観光地

  • 首都圏を中心に比較的堅調な不動産市場ですが、地価上昇傾向にあるのは何も都心の物件だけではありません。
    円安や訪日外国人の増加により、日本の観光地エリアの物件が大きく価格高騰を見せています。ここでは今年の発表で、地価上昇が見られた観光地とその理由をご紹介させていただきます。将来にむけて不動産投資を考えられている方は、ご参考にされてみてはいかがでしょうか。

  • 今がチャンス?地価公示価格上昇中の観光地

  • 【北海道虻田郡倶知安町】 地価上昇率9.2%で全国第1位 ニセコもあるスキーリゾート地区

  • 平成27年の地価上昇率全国第1位を記録したのは、スキーなどの冬のリゾート地として有名なニセコ地区。円安による割安感から主にアジア系企業によるリゾート開発が進み、別荘地の中には、9.2%も地価が上昇した地区があります。

  • 北海道虻田郡倶知安町 土地公示価格の推移

  • 一坪単価(円) m2単価(円) 上昇率
    2011 53,000 16,000 1.75%
    2012 53,000 16,000 1.41%
    2013 53,000 17,000 -0.77%
    2014 53,000 16,000 1.41%
    2015 54,000 16,000 0.93%
  • ※ 1坪は約3.3㎡

    過去5年間のデータを見ると全体的に上昇傾向にあります。
    観光庁は2018年までに、ニセコの宿泊者延数を、国内旅行者5%、外国人旅行者10%増やす目標を立てていますが、地価が比較的安い点や、札幌や新千歳空港から1時間程度という立地、世界的に知名度の高いスキーリゾートであることからも、今後さらなる発展の可能性を秘めたエリアと言えるでしょう。

  • 【沖縄県那覇市】「爆買い」や開発により地価上昇する夏の定番リゾート

  • 夏のリゾート地としてお馴染みの沖縄県那覇市も価格が上昇している観光地の一つです。商業地と住宅地が2年連続で上昇している沖縄県では、リゾート開発はもちろん、新規のアウトレットやマンションの建設が相次ぎ、地価が上昇しています。

  • 沖縄県那覇市の土地公示価格の推移

  • 一坪単価(円) m2単価(円) 上昇率
    2011 289,000 9,000 0.27%
    2012 289,000 87,000 -2.96%
    2013 297,000 88,000 0.38%
    2014 297,000 90,000 2.51%
    2015 300,000 91,000 1.13%
  • ※ 1坪は約3.3㎡

    その中でも特に地価を押し上げているのは、「爆買い」と呼ばれる中国をはじめとするアジア諸国の人々による不動産大量購入。
    現在、沖縄県は、那覇空港の新滑走路の供用が始まる2020年までに1000万人の観光客誘致を目指していており、2014年度はLCCや新規路線の乗り入れの影響もあり、過去最高の717万人を記録しました。
    最近では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の運営会社が、沖縄県で新規テーマパークを作るという計画もあり、10年間で1,7兆円の経済効果を想定しているそうです。
    さらなる観光客増加や経済成長が予測される沖縄県は、今後の可能性を秘めたエリアと言えるでしょう。

  • 【京都府京都市東山区】八坂神社や建仁寺もある!祇園の中心地

  • 祇園などがあり、京都観光の中心地となっている京都府京都市東山区。観光客増加に伴うホテル用地や店舗需要の需要拡大により、最大7.6%の地価上昇を見せました。

  • 京都府京都市東山区の土地公示価格の推移

  • 一坪単価(円) m2単価(円) 上昇率
    2011 1,015,000 307,000 -0.85%
    2012 1,080,000 327,000 6.43%
    2013 1,083,000 328,000 0.26%
    2014 1,108,000 335,000 2.25%
    2015 1,138,000 344,000 2.76%
  • ※ 1坪は約3.3㎡

    外国人にも人気の観光地の京都ですが、2014年は特に好調で、訪問観光客数は過去最高の5564万人。外国人宿泊客数も前年比62%増の183万人でした。
    京都府は、オリンピックが行われる2020年までに年間観光収益1兆円と外国人観光客数を300万人にする計画を立てており、着々と準備を進めています。
    日本を代表する観光地ですが、今後もさらなる発展の可能性を秘めたエリアと言えるでしょう。

  • 世界遺産があるあの都市も!地価公示価格が下落している観光地

  • 人気観光地だからといって、残念ながら必ずしもその人気や知名度が地価に結びついているというわけではありません。今回は、人気観光地であるものの、近年地価下落が続いているエリアをご紹介させていただきます。地価下落の原因なども今後のご参考にされてみてはいかがでしょう?

  • 【栃木県日光市】世界遺産の東照宮や紅葉も魅力の人気観光地

  • 世界遺産の日光東照宮がある栃木県日光市。栃木県観光交流課が発表したデータによると、2014年度の県内観光客数は3年連続増加となる8711万人。外国人観光客も15.6%増の14万6000人と、ともに過去最高人数を記録しています。

  • 栃木県日光市の土地公示価格の推移

  • 一坪単価(円) m2単価(円) 上昇率
    2011 120,000 36,000 -3.58%
    2012 112,000 34,000 -7.1%
    2013 106,000 32,000 -5.16%
    2014 102,000 31,000 -3.97%
    2015 99,000 30,000 -2.72%
  • ※ 1坪は約3.3㎡

    観光客増加に伴い、中国人投資家による不動産の「爆買い」の動きも見られるエリアですが、現状では、まだ土地価格の上昇には繋がっていません。
    栃木県の福田富一知事は、「震災による風評被害の影響を脱し切れていないことが原因」だとコメントしていますが、土地価格にもその影響が色濃く残る結果になりました。しかし、2017年には尾瀬や鬼怒川温泉などで行われていた再開発が完了する予定となっており、今後の観光客数や地価上昇に影響を与える可能性も秘めています。

  • 【神奈川県 横須賀市】スカジャンや海軍カレーなど独自の文化を持つ港町

  • 古くから港町として栄える神奈川県横須賀市。海軍基地や公園があり、スカジャンや海軍カレーといった独自文化を持つ人気の観光地です。
    参考:http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f80022/p839616.html
    神奈川県が2013年に発表した、横須賀市を始めとする三浦半島地域ののべ観光客数は、1459万人。前年比3.8%の減少という結果になりました。
    参照:http://www.mlit.go.jp/common/000116025.pdf
    市町別にみると、横須賀市は7.1%減である一方、周辺にある三浦市(7.2%増)、葉山町(1.4%増)、鎌倉市(16.9%増)、茅ヶ崎市(12.7%増)などは観光
    客増加傾向や地価高騰が見られるエリアもあります。

  • 神奈川県横須賀市の土地公示価格の推移

  • 一坪単価(円) m2単価(円) 上昇率
    2011 521,000 157,000 -0.03%
    2012 508,000 154,000 -1.44%
    2013 515,000 156,000 2.94%
    2014 501,000 151,000 -1.62%
    2015 509,000 154,000 -2.25%
  • ※ 1坪は約3.3㎡

    現在横須賀市は、都市計画マスタープランに基づいた再開発を行なっており、
    今後、横須賀駅周辺のタワーマンションの建設や、軍港都市を中心とした観光地化による地域再生計画などが予定されており、今後の観光客数や地価上昇に影響を与える可能性も秘めています。

  • 【千葉県 浦安市】人気テーマパークを抱え毎年1億人が訪れる観光地

  • 東京ディズニーランドとディズニーシーなどがあり、世界各国の観光客が訪れる千葉県の浦安市。2013年の観光客数は前年比1083万人増の1億6593万人で、過去最高を記録しました。

  • 東京ディズニーランドとディズニーシーなどがあり、世界各国の観光客が訪れる千葉県の浦安市。2013年の観光客数は前年比1083万人増の1億6593万人で、過去最高を記録しました。

  • 千葉県浦安市の土地公示価格の推移

  • 一坪単価(円) m2単価(円) 上昇率
    2011 1,075,000 325,000 0.60%
    2012 1,000,000 302,000 -6.96%
    2013 974,000 295,000 -2.59%
    2014 989,000 299,000 1.41%
    2015 994,000 301,000 0.52%
  • ※ 1坪は約3.3㎡

    しかし、2011年の東日本大震災発生時に起きた液状化減少などが原因で、こここの2年間は上昇傾向にあるものの、今なお震災前の価格までは回復していません。
    しかし、観光だけでなく、都心へのアクセスの利便性からさらなる伸びも期待できる点や、2024年までに東京ディズニーランドとディズニーシーにおいて約5000億円の新規開発が予定されていることなどから、今後、観光客数や地価上昇に影響を与える可能性も秘めています。

  • 終わりに

  • 円安や不動産価格の高騰により、国内外から注目を集めている日本の観光地の不動産。
    価格変動の裏には、観光地自体の人気だけではなく、さまざまな要素が含まれていることがわかります。
    「失敗した」と後悔しない投資にするためには、不動産の購入前に、それぞれの観光地の事情を理解したうえでの慎重な見極めが必要です。

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