不動産価格の上昇や投資熱の高まりとともに、投資を検討されている方も多いのではないでしょうか?
2015年の国土交通省発表の不動産価格指数(住宅)によると、マンション指数(全国)は 121.4で、対前年同月比で+6.9%の上昇が見られるそうです。
不動産価格の高騰は2013年3月から続いており、2015年の地価公示価格(土地)を見ると、この傾向は首都圏を中心として全国的に普及しつつあります。
順位 | 都道府県 | 価格 | 前年比 |
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1位 | 東京都 | 83万9661円/m2 | 5.11% |
2位 | 大阪府 | 23万9048円/m2 | 2.87% |
3位 | 神奈川県 | 23万5534円/m2 | 1.33% |
4位 | 京都府 | 17万4727円/m2 | 2.51% |
5位 | 愛知県 | 15万5071円/m2 | 3.34% |
2015年地価公示価格(国土交通省HPより)※リンクは記事の最後に掲載
治安が良く、価格も安定している日本の不動産は、世界の投資家からも注目されています。
実際に2015年の10月には、世界最大の政府系のファンドである、ノルウェー政府年金基金による日本の不動産事業参入も発表され(2015年10月8日 日本経済新聞電子版)、今後さらに投資熱が高まる可能性もあります。
しかし、いざ「投資をしよう」と思っても、首都圏の不動産は高値で安定しており、なかなか手が出しにくい価格なのも事実です。
今回は「投資をしてみたいけれど、都心の不動産は手が出せない」という方のために、現在地方で地価が高騰しているエリアと、その理由をご紹介します。
もし、手軽な予算から不動産投資を始めたいと考えていらっしゃるようでしたら、ご参考にされてみてはいかがでしょうか?
北海道札幌市豊平区の基本データ | |||
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年 | m2単価(円) | 一坪単価(円) | 上昇率 |
2015 | 9万1767円 | 30万3362円 | 1.35% |
参考:2015年地価公示価格(国土交通省HPより)※リンクは記事の最後に掲載
市街地の中心部やリゾート地を中心に地価が上昇している北海道。ニセコをはじめとするリゾート地での外国人投資家による不動産のまとめ買いが注目されていますが、札幌などの中心部でも地価は上昇傾向にあります。
その中でも札幌ドームなどがある札幌市豊平区は、新築マンションの建設が相次いだことにより人口増加と地価高騰がみられます。
2015年12月には商業施設「札幌ゼロゲート」のオープンも予定され、今後も地価変動の可能性があるエリアです。
千葉県木更津市の基本データ | |||
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年 | m2単価(円) | 一坪単価(円) | 上昇率 |
2015 | 3万3038円 | 10万9217円 | 3.19% |
参考:2015年地価公示価格(国土交通省HPより)※リンクは記事の最後に掲載
地価上昇が顕著な首都圏の中で、3.19%と高い上昇率を見せたのが、千葉県木更津市です。東京湾アクアラインの通行料金値下げや、相次ぐ大型アウトレットのオープンに伴う人口増加が背景にあります。
さらに中国人をはじめとする観光客誘致も活発で、周辺の君津市、富津市、袖ヶ浦市と共同で、東京オリンピック開催を見据えた観光連携を強化していく方針も発表されました。今後も観光客増加に伴う地価の動きが予想されるエリアです。
石川県金沢市の基本データ | |||
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年 | m2単価(円) | 一坪単価(円) | 上昇率 |
2015 | 10万1647円 | 33万6023円 | 4.00% |
参考:2015年地価公示価格(国土交通省HPより)※リンクは記事の最後に掲載
北陸新幹線開業などで、観光客が増加している北陸エリア。2015年の宿泊率は19.3%アップしたという報道もありました。(読売新聞2015年11月3日)
この中でも、多くの観光スポットがある金沢は、9月の時点で前年の約3倍にあたる482万人を訪れ、地価上昇にも大きな影響を与えています。
特に金沢駅周辺のエリアの地価上昇率は4.0%。地価公示価格の発表時では新幹線は開通していなかったため、来年度の発表では地価の大幅な変動が予想されます。
新幹線開通に伴い、観光客狙いの再開発や、外資ホテルの誘致が検討されているといった報道もあり、まだまだ動きがありそうなエリアです。
参考:2015年地価公示価格(国土交通省HPより)※リンクは記事の最後に掲載
関西圏で最も上昇率が高かったのは、道頓堀などもある大阪市中央区の8.08%でした。
関西空港への相次ぐLCC就航に伴う外国人観光客の増加や、商業施設「Luz(ラズ)心斎橋」のオープンなど、このエリアでの開発が相次いだことも地価高騰の背景にあります。
2015年7月には関西空港の1ヶ月あたりの入国者数が過去最高の192万人に及ぶなど盛況は引き続いており、今後の地価変動が予測されるエリアです。
福岡県福岡市中央区の基本データ | |||
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年 | m2単価(円) | 一坪単価(円) | 上昇率 |
2015 | 73万5929円 | 243万2825円 | 5.60% |
参考:2015年地価公示価格(国土交通省HPより)※リンクは記事の最後に掲載
福岡の中心エリアの天神がある福岡市中央区では、不動産投資の活性化やオフィス利用の増加により、地価が前年比5.6%と上昇傾向が見られます
福岡市は現在再開発が進められているだけでなく、国家戦略特区に指定されたことによる新規のビジネスを開始する企業の増加などによりさらなる成長の可能性を秘めており、今後の動向が予測されるエリアです。
エリア | 理由 | m2単価(円) | 一坪単価(円) | 上昇率 |
北海道函館市 | 北海道新幹線の開通 | 4万8085円 | 15万8961円 | -1.23% |
宮城県仙台市太白区 | tekute ながまちオープン | 7万8370円 | 25万9075円 | 10.42% |
千葉県成田市 | 国家戦略特区の指定(観光) | 4万6694円 | 15万4361円 | -1.02% |
京都府京都市左京区 | 国家戦略特区の指定(医療) | 23万3229円 | 77万1005円 | 0.80% |
大阪府吹田市 | 国家戦略特区の指定(医療) エキスポシティのオープン |
23万4309円 | 77万4576円 | 2.11% |
大阪府枚方市 | 枚方T-SITEのオープン | 13万5428円 | 44万7696円 | 1.14% |
福岡県筑後市 | ゆめモール筑後のオープン | 3万5525円 | 11万7438円 | 0.09% |
沖縄県那覇市 | 国家戦略特区(観光) | 17万0475円 | 56万3556円 | 2.70% |
今回ご紹介させていただいたエリア以外にも、地価の変動が見込まれる場所は各地にあります。
上の表は、将来的に新幹線開通や新規施設のオープンなどが決定しており、地価に変動がありそうなエリアと、2015年現在の地価公示価格をまとめたものです。
エリアごとに数字のばらつきはありますが、10.42%の上昇率を記録した仙台市太白区をはじめ、上昇傾向にある地域が多く見られます。
そしてどのエリアも、東京都(83万9661円/㎡、277万5741円/坪)より価格が抑えられている点も魅力です。
もし「投資をしてみたいけれど、都心の不動産は手が出せない」という方は、今回ご紹介させていただいたエリアを参考に、投資を検討されてみてはいかがでしょうか?
参考:
・2015年地価公示価格(国土交通省HP)
(http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=2&TYP=0)・読売新聞2015年11月3日
(http://www.yomiuri.co.jp/economy/20151102-OYT1T50131.html)・日経新聞電子版2015年10月8日
(http://www.nikkei.com/article/DGKKASGD07H3Y_X01C15A0MM8000/)・北陸新幹線開業は金沢の独り勝ち 経済成長持続のカギは?
(http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1508/06/news036.html)・経済効果は石川124億円 富山88億円 航空業界は危機感
(http://www.sankei.com/region/news/150313/rgn1503130081-n1.html)・【開業半年後】北陸、集客効果衰えず 北海道新聞 2015年9月28日
(http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/bullet_train_6months_more/2-0029265.html)