平均貯蓄在高1820万円……2017年5月16日、総務省が発表した『家計調査報告』で衝撃的な発表がありました。しかし、これはあくまで全世代の話。平均を吊り上げているのは65歳以上ともいわれています。
では、働き盛りの30〜40代はどれくらい貯金しているのでしょうか?
金融広報中央委員会が発表した統計結果によると、30代の平均資産は「約379万円」でした。
しかし、この数字は保険や株などの資産を含んだ金額で、純粋に預貯金額のみでは231万円になります。
・ 30代の平均預貯金額:231万円
・ 30代の平均保険積立金:80万円
・ 30代の平均有価証券残高:46万円
・ 30代保有のその他の金融商品:22万円
・ 合計:30代の金融資産は平均379万円
では、続いて40代も見ていきましょう。
30代と出典は異なりますが「家計の金融行動に関する世論調査」(2016年)によると、40代の平均貯蓄額は588万円、中央値(多い順または少ない順に並べたときの真ん中にあたる額)は200万円です。
こちらは年収ごとの貯蓄額も発表されているので、紹介しましょう。
・年収300万円未満 平均225万円、中央値0円、貯蓄ゼロ50%
・年収300万円~500万円未満 平均423万円、中央値70万円
・年収500万円~750万円未満 平均637万円、中央値425万円
・年収750万円~1000万円未満 平均1069万円、中央値82万円
・年収1000万円~1200万円未満 平均1067万円、中央値620万円
・年収1200万円以上 平均23647万円、中央値2100万円、貯蓄ゼロ0%
(家計の金融行動に関する世論調査2016(2人以上世帯調査)より)
多くの金融資産を持っている人がいる一方で、貯金ゼロという人も実は多くいます。
SMBCコンシューマーファイナンスの「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2017」によると、貯蓄できていないとする「0万円」が25.4%と、およそ4人に1人の割合でみられ、「1万円~50万円以下」(28.3%)と合計すると、半数以上(53.7%)の人が貯蓄額50万円以下ということです。
調査は実施会社(機関)によって差があるので一概にはいえませんが、「貯蓄格差」が広がっていることは間違いないでしょう。
30〜40代になると、確実に貧富の差が広がりはじめます。
では、貯蓄が多い人と少ない人では、なにが違うのでしょうか?
もちろん、勤めている会社によって給与水準に差があるのは当然のことですが、貯金額が多い人ほど資産を上手に運用している傾向があります。中には30代でも1億円以上の資産を持つ人もいるほどです。
貯金がゼロという人は、計画的な消費を心がけて少しでも貯蓄を増やす必要があります。「貯めているのにつもりなのに、なかなか貯まらない」という人は、貯蓄用と給料の振込先の口座を分け、給料から天引きして強制的にお金を貯める仕組みづくりをすると、自然とお金が貯まるでしょう。つまり、振り込まれる給与から先に貯めるお金を差し引いて、振り込まれた金額しか使わないようにするのです。
さらには、「貯める」だけでなく「増やす」ことにも目を向けなければなりません。不動産投資や株式投資、FXなど、投資にもさまざまありますが、自分に合ったものを選んで始めてみることも一つの手です。