【不動産投資家コラム】銀行から見た投資家の"2つのステージ"(寺尾恵介氏)

2017年11月20日

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  • これから不動産投資をしていこうという方に知っておいてほしい前提条件のようなものがありまして、それは「不動産投資には2つのステージがある」ということなんですね。

  • そして、ご自身が今はどのステージかというのを理解しながら投資をしていくことが大切です。これから始めるという方であれば、今は「サラリーマン投資家」としてのファーストステージにいるということになります。

  • 実はサラリーマン投資家というのは、不動産投資全体から見るとかなり特殊なのです。物件購入資金を融資してくれる金融機関も、サラリーマン大家さんに対してはそれ専用の融資基準を設けているところが多く、そのため購入しやすい物件(=融資が付きやすい物件)というのもだいたい決まったパターンになることがほとんどです。

  • これから不動産投資をしようというサラリーマンには当然実績や経験がないので、金融機関としては経営が比較的簡単で流動性や担保評価が高い種別の物件でないと安心して融資ができません。

  • 必然的に「それなりのエリア」「古すぎない築年数」「割と高めの入居率」の物件ばかりに融資が付くようになり、そういった物件にサラリーマン投資家が集中するという状況が生まれるというわけです。購入したい人がたくさんいるので、高い利回りで売られる確率は非常に低くなりますね。

  • そういう競争に巻き込まれたくないという投資家さんも多いと思いますが、先述したように最初は実績も経験もありません。古かったり空室率が高かったりする物件を安く購入して高利回りを実現したいと思っても、金融機関からすれば「そのような難しい物件を、あなたが運営できるかは分からないので融資はできない」という判断になってしまいます。ファーストステージのうちは、融資が付く物件を買うか自己資金のみで物件を購入することで賃貸経営の実績を積むしかないのが現状です。

  • このステップを省略して先に進みたいというこだわりによって、物件が買えないまま何年もムダにしてしまっている人も多いでしょうね。

  • 経験と実績を積んだサラリーマン投資家は、いわゆる「事業者」としてのセカンドステージに進むことになります。複数年にわたる実績とリスクを許容できる資金があれば、運営が難しいと思われる物件でも融資が受けられるようになってきます。半面、金融機関からは決算書や保有物件の運営状況なども細かくチェックされるようになりますので、利益が出ていなかったり高い空室率が改善できていなかったりすれば、今後の融資は絶望的です。

  • 金融機関からの評価がしっかり分かれるのが事業者としてのセカンドステージということになりますが、いずれにしてもステージの違いを分かったうえで不動産投資に取り組むことは非常に大切です。

  • 5000万円アパートを購入するのであれば、融資額は4000万円。1000万円+購入諸費用の自己資金を拠出してもなお、決済後に一定額の預貯金が残っている……くらいの基準です。この場合、2500万円くらいでしょうか。サラリーマン投資家さんのイメージだと、2500万円も自己資金があれば3億円くらいのマンションが買えてしまうくらいに考えてしまうかもしれませんが(笑)、そうではないのです。

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