関連書籍をたくさん読んだり、セミナーに参加したりといった情報収集や知識の習得はとても大切なことではありますが、こういった勉強熱心な人が意外と間違った方向に進んで成果が出ないといったことがあります。
書籍やセミナーで得たノウハウを、今の自分では実践できないというのがその理由の1つですが、なかでも「プロを出し抜く」ことを目指して膨大な時間と労力をムダにしてしまうことが多いようです。プロというのは、ここでは収益不動産を専門で扱っている会社や、そこでお仕事をされている人たちのことです。
書籍は派手でキャッチーなことを書かないと売れませんので、出版社の意向などで内容が偏ってしまうこともあります。「プロを出し抜く」系のエピソードが必要以上に多いのは、おそらくそういった理由からでしょう。もしかしたら、著者さんも書いていて気持ち良いのかもしれません。
例えば、誰も知らなかった高利回り物件を独自のルートで見つけたり、まさかというような金融機関で好条件の融資を実現したり、たまたま見つけたリフォーム業者さんが、相場の半額で工事を請けてくれたりというようなことが書かれています。
しかし、そういう武勇伝を真に受けてはいけません。書籍にこういう話が多く載っているのは、それがレアケースだからなのです。
物件情報の仕入れが一番顕著な例でしょう。
サラリーマン投資家が1週間でこなしている行動量を、そういった専門会社は始業後10分で終わっているわけですから敵うわけがありません。人と違うことをしたいという気持ちは分からないでもないですが、それによって成功が遠のくようでは本末転倒です。