「リノベーション投資」のポイントはこの記事で解説しました。しかし、リスクもあるので注意が必要です。
ここでは、投資物件のリノベーションのリスクと失敗例を紹介しましょう。
ドアノブを換えるなど軽微なものは別ですが、大規模な改修工事を行う場合はまとまった時間を要します。また、リノベーションの内容によっては、その期間中は人が住めないこともあり得ます。資金が十分でない場合、経営が厳しくなる可能性もあるので注意が必要です。
大規模なリノベーションを施す場合、対象の物件が古すぎると(耐震基準が制定された1981年よりも前に建てられた物件など)、失敗するリスクが高まります。また、現行の耐震基準を満たしていないと、改修に莫大な費用が掛かる恐れもあります。
リノベーションの失敗例でよくあるのが、オーナーの主観が入ってしまい、想定していた金額を上回り、収支が悪化するケースです。「ここも修理するなら、ついでにここも……」と欲が出てしまい、本来であれば交換・修理しなくともよかった部分も発注してしまうのです。このリスクを回避するためには、立てた予算計画をオーバーしないことを意識するしか方法はないのですが、意外に難しいのが実情のようです。
ここからは実際にあったリノベーションの失敗例を紹介しましょう。
・ずさんな内容の見積もりのまま発注してしまった
業者から送られてくる見積もりが、現場に確認しない割高な金額設定になっていることは珍しくありません。届いた見積もりが適切な価格設定になっているかの確認は必ず行いましょう。
・追加請求をされた
工事範囲について、しっかりとした合意がなされていなかったことが原因で、トラブルに発展したケースは珍しくありません。やっかいなことに追加請求は、事後報告も多いものです。曖昧な口約束で済ませず「追加請求があるときは、どんな場合か?」と細かくヒアリングして業者と意思疎通を図りましょう。
・期間内に終わらない
これもよくあるトラブルです。工程表に期間が明記されておらず、予定よりも時間がかかってしまい、その分入居募集を遅らせなければならなくなるのです。工事期間が明確に書かれているか確認し、余裕のある工程表を作成してもらいましょう。
・業者が工事後のアフターケアをしてくれない
大規模な改装をした場合、リノベーション後に不具合が生じるケースもあります。そのリスクを考慮して「契約書の保証内容、期聞」についてはしっかり確認し、合意を得ておくことが大切です。契約を交わしたのに業者がアフターケアに対応しない場合、保証期間内に内容証明郵便を出しましょう。また、弁護士や建築士に専門的な助言を仰ぐのも有効です。
以上のように、まとまった金額が動くリノベーションはトラブルの種になることもあります。
担当者としっかりコミュニケーションを取って進めましょう。