一棟物件を購入した場合、空いている敷地を有効活用できるケースがあります。
ここでは、「自動販売機」の活用について解説しましょう。
メリット①「入居者へのサービス向上」
近くにコンビニやスーパーがないエリアだと、自販機は貴重な存在です。
お店が近くにある場合でも、1本100円の自販機を置くことができれば、利益を確保することは十分可能です。
メリット②「防犯に役立つ」
夜間になると、自販機の明かりが不審者対策になることがあります。地方だと明かりが少ないエリアも多いので、特に大きな効果が期待できます。とりわけ女性入居者に対してはアピールポイントになるでしょう。
メリット③「災害時に水分の心配がない」
これも入居候補者へのメリットになりますが、万が一、大規模地震等の天災が起こった場合、入居者や近隣の方々への水分確保ができます。
デメリット①「大きく儲かるものではない」
自販機ビジネスは、オーナーが自分の敷地と電気代を負担するだけで、残りは利益になります。しかし、大きく儲かるビジネスではありません。
まず基本的には、1台あたり月々3000円程度の電気代がかかります。ただし、自販機の種類、コールド・ホットの割合、時期(夏で2000~3000円程度、冬で3000~4000円程度)によっても異なります。
また、自販機メーカーへの販売手数料は、支払い方法が3つあります。
・本数
・還元率
・定額制
※目安としてオーナーへの還元は15~20%程度。ただ、いずれもメーカー側の規定に沿うか、交渉して決定します。
たとえば、1本100円のドリンクを月300本売ったとしても、20%還元だと6000円の収入です。そこから電気代3000円を引くと、利益は3000円です。月300本という数字は決して少なくないので、自販機ビジネスがあまり儲からないことがおわかりいただけると思います。
デメリット②「ゴミが散乱することがある」
特に人口が多いエリアの自販機に多いケースですが、自販機のゴミ箱に缶やペットボトルなど以外のゴミを無理矢理詰めたり、家庭ゴミを捨てていったりする人がいます。また、人が夜にたむろすることもあります。こまめにチェックしたり注意書きを貼ったりするなどしないと、入居者や近隣の住民に悪いイメージを与えかねないので、注意が必要です。
自販機を設置しようと思ったら、まずメーカーに問い合わせをしましょう。複数社から見積もりを取り寄せて、業者を選びます。なお、管理会社経由で紹介してもらえることもあります。
基本的に、立地さえ悪くなければ設置費用は業者が負担してくれます。また、商品の補充、売上金の回収・釣り銭の補充、クレーム対応も全て任せることができます。
なお、自販機メーカーも売り上げが見込めない場合は設置を断ることもあります。逆に、売り上げが見込める場所であれば、数万円~10万円程度のお金が設置時に業者からもらえることもあります。