「IT重説」の本格運用が不動産投資家に与える影響とは?

2018年05月15日

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  • 2017年10月から「IT重説(ITを活用した重要事項説明)」が本格運用されることになりましたが、果たして不動産投資家に与える影響はどれほどのものでしょうか?
    ここでは、「IT重説」の基礎知識とともに、今後の見通しについて解説いきましょう。

  • 「IT重説」とは何か?

  • IT重説(ITを活用した重要事項説明)とは、テレビ会議等のITを用いて非対面で重要説明事項を行うことです。1971年に宅地建物取引業法が改正されて以降、宅地建物取引士が“対面”で購入者(賃借人)に対し、重要事項説明をすることが義務づけられていました。これは、不動産に関わる紛争が、重要事項を「聞かなかった」「聞いたけど理解できなかった」といったことから発生することが多いため、そのような事態を防ぐために対面で説明し、購入者は重要事項説明書に署名捺印することを義務付けたのです。しかし、2013年に策定された国の「IT利活用の裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」では、ネットを活用した対面以外の方法が見直されることになったのです。

    そのため現在は、テレビ、パソコン、スマートフォン、タブレット端末を使ってオンラインシステム経由などの“非対面”でも重要事項説明が可能なりました。もちろん非対面になったことによりトラブルを招いてしまっては元も子もないので、購入者が説明内容を十分に理解できるレベルの画質や音質が求められます。

    IT重説は、2015年8月末に開始した「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験」の結果を踏まえて、2017年10月から本格運用となりました。

  • IT重説が不動産投資に与える影響とは?

  • IT重説の解禁は、不動産投資のおける管理(入居者募集)の際に影響を与えることになるでしょう。特に、学生向けのアパート・マンション、多忙な職業が多いエリアや物件では、IT重説で対応してくれるかが物件選びの際の差別化の一つになると思われます。

    不動産・住宅に関する総合情報サイトSUUMOでは、すでにIT重説が対応可能な物件かどうかが検索の際に選択可能で、関東では2018年3月8日時点でIT重説に対応可能な物件が4万5856件登録されています。

    オーナーからすれば、IT重説が対応可能な管理会社に依頼することで、地方在住の学生の両親や転勤予定者、契約の時間を割けないほど多忙な人にもアプローチできるため、入居率を上げられる可能性が高まるわけです。

  • 今後IT重説はどうなるか?

  • 今のところ、IT重説は賃貸取引に限定されています。しかし、もし売買取引の分野にも導入されれば、不動産投資に新規参入にする人が増えます。既存投資家からすれば油断できない事態でしょう。

    現状、平成30年7月末までの期間、テレビ会議システムやスカイプ等を用いた売買取引の社会実験が行われています。その結果、導入に問題なしと判断されれば売買取引にもIT重説が導入される可能性は高いでしょう。

    なお、個人を含む売買取引については、「賃貸取引の本格運用の実施状況、法人間売買取引の社会実験の結果を踏まえて、社会実験又は本格運用を行うことを検証検討会において検討する。」(国土交通省)とされており、今後のIT重説の動向が注目されます。

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