「東京五輪前後に不動産バブルが崩壊する」は本当か?

2018年01月10日

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  • 最近、よく「不動産業界はバブルだ」「このままでは2020年の東京オリンピックより前にバブルが弾ける」などジャーナリストや投資家が口にしています。はたして、本当に2020年前後にバブルが崩壊するのでしょうか。

  • 首都圏中心に「バブル化」している現状

  • 首都圏を中心に不動産市場が「バブル化」しています。
    不動産経済研究所の調査によると、2017年1~6月期に売り出された首都圏の新築マンション平均価格は5年連続で上昇し、前年同期比で3.5%高い5884万円と、1991年のバブル期以来の高値を記録しました。

    このままいつまでも高値市場が続くかというと、それは考えにくいでしょう。実際、多くの評論家や投資家は「東京五輪前後(つまり近いうちに)大きく下落するだろう」と口をそろえて言っています。

  • 過去のオリンピックと比較してみよう

  • 過去のオリンピックではどうだったのでしょうか。
    まず、1964年の東京オリンピックの場合、開催後に不況がやってきました。それでも次の年には底を打ち、1970年度まで二桁成長を続けました。これがいわゆる「いざなぎ景気」です。しかし、一般財団法人日本不動産研究所によると、「東京23区の地価上昇率が突出して高かった訳ではなく、オリンピック招致が東京の地価に及ぼした影響という意味では、影響は小さかった」という見解です。その後も高度経済成長は続き、不動産価格も上昇し続けました。そして、土地の価格は決して下がることがないという「土地神話」が1991年のバブル崩壊まで続きました。

  • 次に、2008年の北京オリンピックです。このときは開催前に北京エリアの不動産価格が高騰しました。ですので、中国人投資家は数年前から東京オリンピックによる東京エリアの不動産価格上昇を見込んでおり、将来の値上がりを期待して不動産を購入しているのです。

    2012年ロンドンオリンピックは、開催前はリーマン・ショックの影響で不動産の値上がりが芳しくなかったようです。しかし、ニッセイ基礎研究所の「基礎研レポート」によると、「オリンピック開催翌年となった 2013 年も不動産の取引量は前年比+39%で過去 3 年より高い増加率となった」ということです。世界的に不動産価格が下落していた時期であるにもかかわらず、ロンドンでは、オリンピック開催後に価格、取引量ともに増加したことが指摘されていました。

    これらの例からもわかるように、必ずしも「オリンピック開催前に価格が上昇し、開催後は下落する」とは断言できないでしょう。

  • 東京五輪以外にも、不動産価格の下落に導く要素はある

  • しかし、東京五輪以外にも、不動産価格の下落に導く要素はあります。
    「日本の不動産市況は7年サイクル」と言われており、高騰がはじまったのは2012年です。そろそろ下落に転じてもおかしくはないでしょう。
    また、2020年以降だと、いわゆる「2022年問題」も大きな転換点になるでしょう。生産緑地法が1991年に改正されてから30年が経つ2022年に、生産緑地の指定が解除されて宅地化が進む可能性が非常に高いと言われているのです。つまり、大量の土地が市場に流れることによって、需給バランスが崩れて地価は下落する可能性があるのです。
    そのほか、中国人投資家が利益確定のために売却して供給が増える、人口減少、金利上昇など、ここ数年のあいだに不動産価格が下落する可能性は大いにあります。

  • 初心者は「融資が受けられる今のうち」に買いなさい

  • しかし、これから不動産投資を始める人は、下落を待つのではなく、少しでも早く始めていただきたいと思います。
    というのも、今後、金融機関の融資が受けにくくなる可能性が高いからです。実際、すでに一部の金融機関では、年収や自己資金に対して高いハードルを課して初心者への融資に厳しい姿勢が強まっています。ここ数年、業界内で積極的に行われてきたフルローン・オーバーローンも引き締まってきています。

    こうなると、せっかく不動産価格が下落したとしても「融資が受けられなくて買えない」という状況になりかねません。
    ですから、融資が出ているときに、不動産投資をスタートして実績を積んでおく。そして、不動産価格が下落したときに、実績や1棟目で得たキャッシュフローを生かして大きく拡大していく。これが、これから不動産投資を始める人の必勝戦略といえるのです。