海のものとも、山のものとも。

2017年 03月29日・成毛眞 投資コラム 第12回

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  • 自給自足できる家と出先対策

    我が家の庭には、大きな雨水枡が埋まっています。雨水枡とは、文字通り屋根に降った雨水を溜めておく水槽のことですが、我が家では常に2000リットルほどの雨水が自動的に溜まっています。

    RO膜のついた大型の濾過器も台所に設置してあります。RO膜とは逆浸透膜のことで、実験に使えるほどの純水が製造できる高性能のろ過器です。雨水枡からポンプで組み上げた雨水も、濾過器を通すと飲み水として使うことができます。

    ポンプを動かすには電力が必要です。そのためにホンダのポータブル発電機も備えてあります。キャンプなどで使う人も多いのではないかと思うのですが、我が家では非常電源になってます。

  • 相続を考えると家の価値が下がらないことが大事

  • 我が家にこれらの装備をしたのは、防災というよりは、非常時には自給自足の家にしたいと思っていたからです。よく知られているように、不動産評価額はほぼその土地の評価額です。庭がきれいでも荒れていても、こういった備えがあってもなくても、その不動産の価値はほとんど左右されません。ということは、相続や贈与を考えたとき、家に色あせない価値を持たせることには、大きな意味があります。

    こういった話をすると「では、屋根に太陽光パネルも載せていますか」と聞かれることもあるのですが、私が家を持った頃には、まだまだ太陽光発電の効率が低かったので見送っています。今からなら、つけてもいいかなと思っています。

    ただし、当たり前のことですが、この家を持ち歩くことはできません。雨水枡もRO膜つきの濾過器も発電機も、私が家にいるときにしか私を助けてくれません。

  • 出かけるときにはモバイルバッテリー

  • そこでせめて電源だけでも自給しようと、モバイルバッテリーを持ち歩いています。近所へ出かけるときでも、です。

    もともと、鞄にはいつも、モバイルバッテリーを入れています。電力消費の著しいスマホ利用者にとっては、モバイルバッテリーは必需品だからです。普段は小型の、スマホを1、2回充電できる程度の容量も小さなものを持ち歩いていますが、遠出をするときや虫の知らせがあるときには、容量の大きなものに換えています。万一、出先で何かが起こっても、それがあればスマホが使えるので、たとえば家族の安否が確認できます。

    この場合のバッテリー選びのコツは、ずばり、容量が大きいことと充電が早いこと。容量が大きければ、それだけ長時間スマホを使えるので、落ち着いて情報収集ができます。確かな情報を集められれば、最短で家に帰るために、正しい行動をとれるでしょう。

    充電が早ければ、それだけ使い勝手がいいことは言うまでもありません。あまりに充電時間が長いと、待ちきれず、面倒になって使わなくなってしまうこともあるからです。電池はまだまだ発展途上。少し目を離しているうちに、大容量で充放電の早いタイプが次々に出てきます。

    言うまでもなく、こういった備えには出番がないのが一番ですが、でも、もしものことを考えると、ないよりあったほうがいい。それを口実に、新しいモバイルバッテリーを物色する毎日です。

成毛 眞
(なるけ まこと)

HONZ代表。元マイクロソフト社長。インスパイア取締役ファウンダー。スルガ銀行社外取締役。早稲田大学ビジネススクール客員教授。週刊新潮、週刊東洋経済、月刊クーリエ・ジャポン日経BPネットにエッセイ連載中。産経新聞、週刊朝日などに書評定期寄稿中。代表的著書に『面白い本』(岩波新書)『大人げない大人になれ』(新潮文庫)など多数。