利益の出る物件を探し出すためには目利き力を養わなくてはなりません。その身近なトレーニングは、不動産会社の提供する資料(物件概要書)をたくさん読み、読解力を身に付けることです。
不動産投資の成否は、一にも二にも「利益の出る物件」を手に入れることができるかどうかにかかっています。
そのためには、より多くの物件に接し、多くの経験を重ね、優れた物件を見極める目を養うことです。
ただすぐにそうしたプロの目を身に付けることは、なかなかできません。そこで「利益の出る物件」を手に入れる近道は、信頼できる不動産会社を早く見つけ、信頼関係を作ることです。
信頼できる不動産会社を見つける極意については後述しますが、まずは自分の目を鍛えるためにどうしたらよいのでしょうか。
そのための最も手近なトレーニングは、多くの物件概要書(不動産会社の資料)を見ることです。
物件概要書とは、物件の所在地、利回り、想定家賃収入額、築年数、建物の構造、面積、用途地域や道路付けなどの詳細が示されている資料の通称ですが、物件の善し悪しは、物件概要書から、ある程度は判断できます。
ただし注意すべきは、物件概要書に載せられた情報が、すべて事実であると考えてはならないということです。これらの情報をたくさん見ることで投資すべき不動産を考える目利き力が養われます。
物件概要書を見る場合の、注意すべき点に触れておきましょう。
主なチェックポイントは、以下の6つです。
①価格
②利回り
③築年数
④建物の構造
⑤建物の面積
⑥土地の面積
それぞれについて解説しましょう。
①価格
価格については、あくまで物件の価格です。このほかに物件価格の7%程度の諸経費(仲介手数料・司法書士手数料など)がかかることを計算に入れておきましょう。
②利回り
記載されている利回りは、実質利回りではなく表面利回りが多いです。実質利回りは、計算し直す必要があります。
③築年数
築年数については、融資を受ける関係から「耐用年数」と対比して見るくせを付けます。融資(ローンの借入期間)は基本的に耐用年数に応じて行われるからです。
④建物の構造
建物の構造(耐用年数)は、鉄筋コンクリート造47年、鉄骨造34年、木造22年です。築25 年の鉄筋コンクリート造の場合、「47-25= 22年」となり、ローンの借入期間は22年以内となります。
また、建物では、耐震性や容積率も重要なチェック項目です。容積率超過など建築基準法に違反していれば、融資を受けることが難しくなります。
⑤建物の面積と⑥土地の面積
建物の面積、土地の面積が広いほうが資産価値が高く、銀行の評価が高いので融資を受けやすくなります。