何事にも長所と短所があります。ワンルームにするかファミリータイプにするか、大いに悩むところですが、それぞれに良い点、悪い点があります。自分の投資戦略に合わせて選択しましょう。
入居者は間取り図を眺めながら、さまざまな生活をイメージするものですが、投資物件を選ぶ際に重要な材料となるのも、この間取りです。
というのは、ワンルームタイプか、ファミリータイプか、どちらを選ぶかによって、投資戦略が異なってくるからです。
どちらを投資として選んだら良いかは、投資家本人の投資方針によって決まりますが、どちらにも長所、短所があります。
ワンルームタイプの良さは、まずその収益性にあります。これは単純に数字の比較から言えることです。
例えば、ここに20㎡のワンルームと、60㎡のファミリータイプがあったとして、そのエリアでは20㎡の物件の家賃相場が4万円の場合、60㎡の物件は8万5000 円ほどです。
床面積はファミリータイプはワンルームに比べて3倍ほどになるのですが、だからといって家賃も3倍にはできません。ワンルームで4万円の3倍、12万円の家賃を取ろうとたら、入居者は現れないでしょう。
したがって、単位面積当たりの家賃単価は、ワンルームタイプのほうが高いわけです。
当然ながら、入居者が退去した後で行うリフォームも、面積の少ないワンルームタイプのほうが安く済みます。
同じ土地面積に建てる場合に、各部屋の床面積の少ないワンルームタイプのほうが、部屋数は多くなり、それだけ多くの家賃収入が見込まれます。
需要も単身者のほうが多いために、ワンルームは各地で建てられましたが、それによって供給過剰になっている地域もあります。
また、単身者の需要が多いということは、ファミリータイプに比べて、入居と退去のタイミングは早く、契約の更新時が退去のきっかけになりやすいという特徴もあります。
さらに、退去の理由の1つである卒業や転勤のシーズンに、入退居のタイミングが集中する傾向にありますが、その半面、次の入居者が比較的早く決まる場合が多いという特徴があります。
近年、入居者に人気のあるワンルームはバストイレが別タイプで、トイレや洗面台と浴室が一緒になった3点ユニットは敬遠される傾向があります。
また、室内洗濯機置場があるか、床はフローリングかなどもポイントになるほか、最近は25㎡ほどの広い部屋に人気が集まっています。空室を防ぐためには、こうした時代の傾向をつかむことも重要です。
一方、ファミリータイプはいったん入居すると、子どもの教育などの家庭環境もあって、単身者と違って簡単には退去しません。そのため、ワンルームよりは、長期間、安定した家賃収入を見込めるというメリットがあります。
ただし、対象となる入居者は長く住むことを前提に物件を決めるため、一度空室になると次の入居者がなかなか決まらない場合も多いというデメリットもあります。さらに部屋が広いことに加え、長年住んだことによる室内の損傷も目立つため、修繕費用はワンルームに比べてかさみます。また、修繕が完了するまである程度の日数を要します。
ほかにも、分譲マンションや一戸建てなどが競合物件となるので、高い品質を維持しなければならず、設備への投資も欠かせません。
さらに地域ごとで求められる部屋の広さも変わってきますが、長く住んでもらうためには、子どもの成長にも対応できる3LDK タイプに人気が集まる傾向があります。
併せて、家族が対象ですから、ワンルームに比べて駐車場の確保も重要になります。なかには駐車場2台が必要な場合もあります。
間取りも含めて、どういう家族が対象になるのかを、綿密に考えて投資物件のタイプを選ぶことが重要です。