※このコラムは、 【前編】株式投資、FX、REIT......他の投資手法と不動産投資の違い の後編です。
投資と聞いて、一般にすぐにイメージするのは「株式投資」という人が多いようです。
資本主義の国・日本では、株式投資は重要な位置にありますが、不動産投資と、本質的にどこが異なるのでしょうか。
前項でも触れましたが、株式投資では、多くの人が安く買って、高く売るというキャピタルゲイン狙いの投資です。
むろん資産家に多い、株式配当(インカムゲイン)を目的とした人もいますが、これは少数派と言ってよいでしょう。
株式投資の一番の問題点は、投資家の思惑や投資環境に左右されて株価が上下することが多いという点にあります。合理的な理由なしに株価が動くことが、決して少なくないということです。
ここで利益を出すには、金利や景気の動き、国際情勢は言うに及ばず、企業の動向に常に注視して売買をしていく必要があります。
ですから、売買に習熟するためには、やはり長年、経験を重ねていくしかありません。初心者がすぐに結果を出せるほど、甘い世界ではなさそうです。
まして不動産投資のように、継続的に、長期間、安定して利益を生み出すことができる投資でないのは明らかです。
近年、人気のFX も、外国為替を安い時点で買い、高くなったら売る取引で、キャピタルゲイン目的ですが、株式よりもさらに不安定で、投機と言ってよいようなものでしょう。
不動産運用の1つの方法として開発されたものに、J-REIT があります。一般の投資家から資金を集めて不動産を運用し、賃料収益や売却益を投資家に分配する仕組みです。現在では株式と同じく証券取引所に上場され、証券会社を通じて売買される金融商品となっています。
プロが運用するために安心感はありますが、その運用効率はあまり良くありません。
利回り商品という面では魅力がなく、まして老後の生活資金として考えるにはふさわしくないと言えるでしょう。
これに対して、不動産投資はJ-REIT に比べて比較的高い利回りを望むことができ、土地や建物それ自体に価値がある実物資産ですから、不動産の購入には金融機関が融資をしてくれます。
金融商品と不動産投資の一番の違いは、この投資に際して金融機関がお金を貸してくれるかどうかにあります。
不動産投資では、場合によれば、投資の全額を融資してもらうことも不可能ではありません。
これに対して、例えば株を買うからと言っても、銀行は決してお金を貸してはくれません。FXもJ-REITも同様です。
将来の生活資金のためにどのような投資をするかは、もとよりそれぞれの自由です。
しかし、将来の不安の解消ということから考えると、何度も言うように「長期間、確実に、毎月」お金が入ってくる投資でなくてはならず、収益を絶え間なく生み出す不動産投資が最もふさわしいと言えるのです。