意外と知られていない都心・駅近物件のデメリット

2017年07月11日

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  • 都心、駅近物件であれば、今後も人口増加する見込みだから空室リスクが低いはず――空室率について、このように感じている投資家は多いと思いますが、はたして本当に正しいのでしょうか。

  • 23区内、駅近であっても空室リスクはある

  • とはいえ実際、23区内の物件を持つことにこだわったあまり、空室率の高い難しい地域で購入して苦戦されている投資家は珍しくありません。
    なぜ、そんなことが起こるのか。ここで23区内、駅近物件の空室率が低くないことを示す、象徴的な事例をクイズ形式で紹介しましょう。

    A 23区内の私鉄沿線、ターミナル駅からも10分という駅から徒歩3分にある区分マンション。50戸規模で、管理人も常駐する大きな分譲マンションの一戸で、家賃は6万円。

    B 宮城県仙台市の私鉄沿線にある徒歩10分のRCマンション。20戸規模の中規模マンションで管理人はいない。家賃は3万円。
    ※どちらの駅にも大学が近くにあるため、学生を入居ターゲットとします。

    さて、問題です。
    同タイミングで退去が出たときに、どちらが早く次の入居が決まったでしょうか?

  • これだけの情報では何とも言いづらいかもしれませんが、それでもどちらかを選ぶとするならば、大半の人は「Aのほうが早く決まった」と思うのではないでしょうか。
    しかし実は、このケースではBのほうが圧倒的に早く入居が決まったのです。Aは3カ月経ってようやく空室を埋めることができました。

    たしかに、23区内の駅徒歩3分のほうが明らかに好立地に見えます。しかし、このマンションは大きな国道に面しており、この国道には同じような投資用の大規模マンションが立ち並んでいます。半径数百メートルのなかに多数の競合物件がひしめきあっていたのです。
    つまり、23区は人口が多く需要も多いのですが、その分だけ供給される賃貸住宅の量が圧倒的に多いのです。

    一方、Bは、広めの1Kということもあって、家賃価格と広さで見れば、ライバルとなる物件はほとんどありません。物件取得にかかるコストも23区に比べれば地方都市は割安ということもあり、家賃に倍の差はあっても高利回りで運営できています。すなわち、都心の駅近物件は地価が高く資産性はありますが、必ずしも空室率が低いわけではないのです。

    こうしたリスク以外にも、都心・駅近物件はそもそも利回りが低いため、投資としての旨味は少ないともいえます。最近だと、表面利回りで4.5%ぐらいが多いのではないでしょうか。また、特に山手線の内側の駅近にあるランドマーク的な物件は築古である場合が多く、耐震的な懸念もゼロではありません。

    とはいえ、資産性という意味では非常に魅力的ではあります。ですから、今回挙げたような競合過多なエリアもあるということを理解したうえで、都心・駅近物件であろうと安心せずにしっかりリサーチをすることが肝要です。