「地方の物件に投資するのは危険」のウソ

2017年07月12日

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  • 不動産投資に関心がある人なら誰しも「空室リスクは都心のほうが低く、地方は高い」という話を耳にしたことがあるでしょう。しかし、本当に「地方は危険」と一概に括ってしまっていいのでしょうか?

  • 上昇していく空室率……地方に未来はないのか?

  • 少子高齢化が続くわが国では、多くのエリアで人口減少が始まっています。
    国立社会保障・人口問題研究所によると、日本が人口減少社会に本格的に突入した2008年以降、現在に到るまで毎年減少が続いています。東京オリンピックが開催される2020年には、日本の総人口は1億2410万人、全人口に占める65歳以上の割合は実に29.1%になるという予測です。さらに2050年には1億人を割り、9708万人で高齢化率は38.8%にまで高まります。 

    人口減少が続くと不動産市場は縮小傾向となり、今後は特に地方での不動産経営は難しくなる一方ともいわれます。

    その根拠となるのは、空室率です。住宅・土地統計調査によると、2013年の全国の空き家数は819.6万戸で、住宅総数に占める空き家率は13.5%。5年前の13.1%から0.4ポイント上昇しています。この数字には賃貸住宅でない一般住宅も含まれていますので、実際、地方における賃貸住宅の空室率は20%から30%ではないかともいわれているのです。

    実際、こういった統計をふまえて、「日本は人口が減って不動産投資には向いていないからアジアの途上国に投資しよう」と考える投資家も増えています。海外投資には別のリスクもありますが、人口減少による空室リスクだけを考えるのであれば、理にかなっているのかもしれません。

    しかし、人口減少を見据えたうえで、あえて地方都市に目を向ける不動産投資家も増えているのです。それはなぜでしょうか?

  • 地方の空室率が高いのは、地主が多いから!?

  • 理由を投資家に尋ねると、大半が「ライバルが少ないから」と答えます。
    というのも、彼らは地方都市にある多くの空室が、きちんと入居募集をされていないことを知っているのです。

    そもそも地方都市にある賃貸物件の大半は、地主の相続税対策のために建てられています。そのため、不動産投資家ほど収支にシビアではありません。地主のなかには適切な建物のメンテナンスを行わず、原状回復すら行わない人も珍しくありません。
    実際、満室を目指すどころか「不良入居者が入るくらいなら、空室のままでいい」と考える地主も多くいます。不良入居者による家賃滞納は、入金がないにもかかわらず売上計上されて課税対象となるからです。つまり、節税対策の観点でいえば理にかなっているのです。

    つまり、地主と不動産投資家では、同じ賃貸経営とはいえ、その動機も収支の考え方もまったく別なのです。このような地主の空室だらけの賃貸物件が、日本の空き家率を高めていることは間違いありません。したがって、高い意識を持った不動産投資家であれば、そのエリアの特徴や需給バランスを捉えてリスクを回避し、地方都市ではむしろ優位に立てることでしょう。