投資物件の"大規模修繕"は本当に必要か?

2017年11月30日

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  • 当然のことながら、建物は年月の経過とともに劣化していくもの。築10〜15年ほどになれば、オーナーは大規模修繕をするか否かを検討するわけですが、大規模修繕にどの程度のコストがかかるのか、他のオーナーはどこを重点的に修繕しているのかなど、意外と知らない人も多いはずです。

  • ここでは、大規模修繕の基礎知識をお伝えしましょう。

  • 大規模修繕では、どの部分にいくらかかるのか?

  • 大規模修繕とは、屋上や外壁、共用部の大幅なリフォーム、配管の交換など大きな金額を掛けて直すことです。一般的には、築10~15年を目途に実施するのがいいとされています。

  • 大規模修繕の施工方式は大きく3つに分かれます。

  • ① 設計監理方式……設計、監理を委託し、工事業者と別々にする
    ② 責任施工方式……調査、資金計画、設計、監理、工事の全てを一任する
    ③ 管理会社主導方式……物件の管理会社に一任する

  • では実際、オーナーたちはどういった部分にどれくらいのコストをかけているのでしょうか。楽待の調査(2016年9月)によると、以下の回答が出ています。

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  • 一棟物件を所有していて、「大規模修繕」を実施したことがある方のみお答えください。どんな大規模修繕を行いましたか?(複数回答)

  • 外壁塗装やタイルの張り替え67.4%
    鉄部塗装52.8%
    屋上防水44.9%
    フルリフォーム40.4%
    その他29.2%
    電気設備の改修工事25.8%
    給排水管の改修工事24.7%
    舗装路の修繕や植栽改善16.9%
    エレベーターの改修工事3.4%
    (楽待新聞アンケート結果レポート/2016.9.8)

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  • 最も多かったのは「外壁塗装やタイルの張り替え」で、約7割の一棟オーナーが実施しているということです。
    また同調査では、「外壁塗装やタイルの張り替え」のコストは「~100万円未満」が36.7%、「100万円~300万円未満」が43.3%という結果も出ています。

  • 大規模修繕はやらなくてもいい?

  • いくら物件の状態を維持するためとはいえ、数百万単位のお金を使うのは、誰もが避けたいところです。何かいい策はないのでしょうか?

  • 実は、「大規模修繕は必要ない」と主張する投資家やコンサルタントは一定数います。彼らの主張は、「築30年くらい大規模修繕しなくても問題ない。すべての物件における修繕タイミングが一律で10〜15年だというわけではない」「大規模修繕をするよりも家賃を下げたほうが費用対効果が高い」などです。大規模修繕をしなければ、雨漏りなどが発生することもあるそうですが、応急処置的な対応をすればコストは部分的で済むので問題ないそうです。

  • たしかにこの考え方は一理あるかもしれません。
    どうしてもオーナーは「自分が住んだらどう思うか」という視点が考えてしまいがちですが、「古くて大規模修繕をしていなくても、とにかく家賃が安ければいい」という人は確実に一定数存在します。その層に当ててマーケティングをすれば、大規模修繕費よりもはるかに安い金額で満室経営ができる可能性もあります。

  • いずれにせよ、「大規模修繕は絶対にしない」という人を除いて、コストがかかりますので、計画的に現金を溜めておくべきといえるでしょう。