【不動産投資家コラム】修繕費が高額、過剰な接待......管理会社A社に抱いた違和感(石原博光氏)

2017年12月18日

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  • もう1つ管理会社を変更した事例は、以上の例とは違い、同じ地元ながら、事情があって別の管理会社に変更した例です。

  • 仮に最初の会社を A 社としておきましょう。それを選んだ理由は、いろいろありますが、そのころは物件の所有歴や運用歴が数年くらいありましたので、それなりの自負も持っていました。そこでインターネット広告が得意な会社、上位数社を抽出して、その中でインタビューさせていただきました。そのときに、A 社の社長にすんなり会えたことが1つあります。

  • また、その方がかつて東京の不動産会社に働いていて、今は社長として頑張っているという状況で、私とフィーリングが合ったこと、もう1つ、管理費が大変安かったこと、さらにある有名なフランチャイズチェーンであったこと。これらが相まって、A 社に決めたのです。

  • ところが、ここにお願いして修繕工事をしたところ、その修繕費が「あれ?」と思うくらい高額だったのです。

  • A社に抱いた違和感の正体とは

  • そういうことが続いて、この A 社のビジネスモデルがよく分かってきました。
    どういうことかと言うと、管理費を安くして集客を進め、管理物件を増やしていく中で、修繕請負で利益を上げるというものです。修繕請負が A 社の大きな収益源だったわけです。

  • また、客付けも非常に緩慢でした。

  • 「この会社に頼んでいて、いいのかな」と不安に思いながらずっといたのですが、なかなか「やめよう」と決断できなかった理由の1つは、実は接待が上手だったのです。例えば、クルーザーを出してくださって、うちの家族を海遊びに招待してくれたり、お歳暮やお中元に非常に豪華なものを送ってくれたりとか。こうしてもらうと、人間、悪い気はしないものです。

  • それで気持ちを鈍らせてしまったようなところがあったのですが、前述のように客付けも弱いという欠点がありました。そうした不満をずっと抱いていたのですが、あるときに決定打がありました。

  • それは、お客さんの退去立ち会いをした部屋を直後に見る機会があったときでした。それまでは、向こうからの報告通りに家主負担はこれこれですという見積りをもらって、「高いな」と思っても、そのまま受けていました。

  • ところがそのときに部屋を見るチャンスがあって、びっくりしたのは、残置物の山なんです。
    「これは入居者の方の荷物ですよね。なぜ、これで退去立会い完了で、家主の負担で全部片付けなくてはいけないんですか?」と言ったのですが、通常、こんなものです、という話でした。どうやら、退去者にいい顔をして、管理会社としては別の物件を紹介するチャンスにしようということだろうと分かりました。

  • というのも、大家さんというのは基本的に管理会社任せで現地に来ないし、部屋も厳密にチェックしない。だから費用は大家に負わせて、退去者の肩を持つほうが利益になるという考え方ですね。

  • この考え方の根底には、大家さんはお金持ち、という昔ながらの考え方があるわけです。お金持ちだからこれくらい上乗せしてもいいだろう、と。
    現実にそういうことをそのときに言われたので、カチンと来て、「いやそういう問題ではない。私は事業としてこの仕事に真剣に取り組んでいるし、借金だってたくさん抱えている。ここは、きちんと公平にやってもらいたい」と話しました。このときに彼らの考え方に失望したのは確かです。

  • このことに次いで、入居者の方の火災保険の更新がなされていないということが、ある事故の後で判明しました。
    その事故は、入居者が洗濯機の水を溢れさせ、真下の部屋を汚してしまったというものでした。そのときに、管理会社の方から、大家さんの保険でどうにかしてくれませんかという話が来たので、「入居者の過失なんだから、その方の保険でやってください」と言うと、「いや、入居者の方が保険の更新を拒んだので……」という答えでした。

  • でも、この話はどうしても納得できなかったので、入居者の方に直接聞きに行きました。裏付けを取るために、IC レコーダーをポケットに忍ばせてね。

  • 昼間はお仕事で不在なので、夜、わざわざ出かけて行ったのですが、事実を聞いてみると、火災保険の更新を拒んだことはなくて、管理会社からのお知らせや案内すらなかったことが分かりました。これは、完全に管理会社の怠慢だな、と、ここで信頼関係が切れてしまいました。ようやく、管理会社を変えることに踏ん切りがつきました。

  • ただ、ここで喧嘩別れをしても、物件はこの地にあるわけですし、今後長く経営していくに当たって得策ではありません。向こうの社長さんにしても、社員の前で私から不備を突かれるようなシーンを見せてしまっては、メンツに関わりますので、ここは気を使いました。社長室で 2 人だけで話し合い、うまく話をまとめました。

  • 管理会社はお願いするときはとても簡単ですが、変更するときは大変です。物件のある場所で 10 年、20 年と商売をしていかなくてはならないわけですから、安易に決めてしまってはいけないと思います。