物件売却にかかる諸費用と知っておきたい「長期譲渡」と「短期譲渡」の違い

2018年01月09日

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  • 「市況が上がってきたので売却益を狙いたい」「資産整理をしたい」などの理由で所有物件の売却を考える際、どのような諸費用がかかるのかご存じでしょうか?
    ここでは、「長期譲渡」「短期譲渡」についての知識も交えながら解説しましょう。

  • 不動産売却にかかる諸費用一覧

  • 不動産を売却すると、以下のようなコストがかかります。

  • ・譲渡所得税
    売却益が出たときの譲渡所得税と住民税、固定資産税(都市計画税)を指します。

    ・不動産仲介手数料
    媒介契約を結んだ仲介業者に支払う手数料です。
    計算式は以下のとおりです。

    売却価格が200万円以下:売買価格×5%×消費税
    売却価格が200万~400万円:売買価格×4%+2万円×消費税
    売却価格が400万円~:売買価格×3%+6万円×消費税

    ・抵当権抹消費用
    金融機関に設定されている抵当権を抹消するための費用です。具体的には司法書士への報酬と登録免許税になります。

    ・印紙税
    売買契約書の作成時に必要になります。印紙は不動産業者が準備してくれることが一般的ですが、事前に「立て替えてくれるのか」「こちらが用意するのか」を確認しておいた方がいいでしょう。

    なお、印紙代は、以下のように売却価格によって異なります。
    100万円超500万円以下……1000円
    500万円超1000万円以下……5000円
    1000万円超5000万円以下……1万円
    5000万円超1億円以下……3万円

    ・測量費用
    ケースによっては測量依頼が必要になります。一般的には35万〜50万円程度ですが、国や市などが立ち会う場合は55万〜80万円程度になります。

    ・その他
    以下は、通常売却後にかかるコストです。
    ローン残高証明書・住民票取得費、印鑑登録証明書、引っ越し費用、不要品の処分費用、その他の清算などが該当します。

  • 知っておきたい「長期譲渡」と「短期譲渡」の違い

  • 個人が売却したときに、その利益に対して上述した「譲渡取得税」が発生するのですが、短期譲渡所得と長期譲渡所得があります。
    短期譲渡所得は、建物を譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下という規定になり、この場合の税率は39%(所得税率30%・住民税率9%)です。
    一方、長期譲渡所得は建物の譲渡した年の1月1日現在の所有期間から5年を超えているものです。このときの税率が20%(所得税率15%・住民税率5%)です。

  • すなわち、5年所有していることによって税率が大幅に下がるということです。
    ただ、5年所有とはちょうど5年間ではなく、5年経過後の1月1日ということで、実際には5年以上になるので注意が必要です。

  • また、個人所有では、譲渡損が出た場合でも損益通算することはできず、マイナスになっても翌期に持ち越すことはできません。また、給与所得、事業所得など、そのほかの事業所得との通算もできません。

  • したがって、個人では売却損が出るタイミングで売ることは避け、短期譲渡を行う場合は税負担を覚悟したうえで「できる限り高く売却する」ことを目指すべきです。

  • ちなみに法人での売却の場合は、短期譲渡・長期譲渡は関係なく、譲渡益に対して譲渡税ではなく「法人税」がかかります。
    法人での売却メリットは、利益が出ても出なくても、法人の事業利益と通算して構わないということです。また損失が出た場合でも、不動産の譲渡損失は、法人の所得と通算されます。

  • なお、青色申告なら翌年に赤字を繰り越すことができます。これは個人に比べてとても有利です。
    したがって、譲渡損が発生する場合、個人よりも法人での所有のほうが得だということがわかります。