確かな情報提供のできる不動産会社をパートナーとできるか否かは、不動産投資の成功、失敗を決定的なものにします。長く付き合える不動産会社は、投資家にとって心強い味方となります。
一言で不動産会社と言っても、さまざまなタイプに分けられます。
自分の投資目的を実現してくれるパートナーはどのタイプの不動産会社なのか、慎重に選択する必要があります。
ここでは、不動産投資に関わる「売買系」の不動産会社の種類を見てみます。
【大手】
大手の不動産会社のメリットは情報を幅広く取り揃えていること。
各種調査も行き届いているほか、売買・賃貸・管理とさまざまな業務を手掛ける体制をしっかりと構築しています。
また、契約の前提となる売買契約書、重要事項証明書等の作成に関しても確実で、チェック体制の強化が図られている場合も多いので、安心して取引することができます。
IT 化が進んだ現在でも、不動産取引は相対取引が一般的。確実な情報を得るために、全国各地に支店を設けて、営業することが多いと言われています。
【専門】
大手不動産会社に比べて守備範囲は広くありません。しかし、専門分野に関しては、相当な専門性に特化した情報を有しているのが専門不動産会社の最大の強みです。
「投資用ワンルーム専門」「一棟専門」「アパート専門」「商業ビル専門」など、さまざまな専門会社があります。物件購入の収支シミュレーションはもとより、きめ細かい情報を提供してくれるというメリットがあります。
また、売買系のジャンル以外にも、「競売ビジネス」「任意売却ビジネス」「マンション買い取り」「不動産証券化ビジネス」などの専門会社もあります。
さて、収益の出る物件を手に入れるために欠かせない、重要な項目があります。それは信頼できる不動産会社を見つけることです。
信頼できる不動産会社が見つかれば、自分の投資に合った物件を紹介してもらうことができますし、一連の投資活動のさまざまな問題に対して、適切な助言や情報をもらうことができます。
つまり、きちんとした不動産会社を見つけられるかどうか、その会社をパートナーとして投資活動を展開できるかどうかは、まさに不動産投資の成功、失敗を左右すると言っても過言ではないのです。
信頼できる不動産会社を、どうやって選べばよいのでしょうか。
そのポイントは、不動産投資のプロセスに沿って、その一つひとつに対して、正しくリードしてくれるかどうかにかかっています。プロセスとは、大きく言って次の3 段階です。
①目的に応じた投資物件の選択と紹介力
②その物件に対する融資(自分の所有)
③購入後の十分なサポート
これらの段階で、確かな機能を果たしてくれるのが、信頼できる不動産会社と言えます。
上記と関連して投資家の目的や考えに合致した物件を、的確に選択し、紹介できる力のある会社(担当者)であることも重要です。
そのためには、多くの物件を常に扱い、頻繁に取引を行う実績を持ち、担当者の一人ひとりが、数ある物件の詳細を熟知していなくてはなりません。物件の詳細な条件には、物件の売却に至った売主の事情、物件周辺の賃貸事情やレントロール(貸借条件一覧表)なども含まれます。
このような知識と実績に裏打ちされて初めて、さまざまな投資家のニーズに合った物件を紹介できると言えるのです。
買いたい物件が決まったら、大きな関門として金融機関の融資があります。融資が不可となったら、どんなに魅力のある不動産も、関係のない宝の山になってしまいます。
金融機関は不動産会社の紹介で訪問するのが鉄則です。ですから、融資に結び付けられる、力のある会社(担当者)かどうかが重要なポイントになるのです。
融資の知識が豊富で、金融機関の情報に詳しい会社(担当者)ならば、サラリーマン向けや事業家向けなど、投資家の属性に適合した金融機関とのつながりを持っています。
購入後のサポートも大切です。
前述のように、売っておしまいの売買専業の不動産会社ですと、販売後の投資家の状態には無関心です。
これでは、投資家にとって、稼げる投資活動とはなりません。
不動産投資には、文字通り売却益で利益を上げる「投資」という側面と、賃料で収入を確保する「賃貸経営」という2 つの側面があります。
もし、売却益を狙うのであれば、収益物件は1つ(1 棟、1 区分)買って終わりではないということは肝に銘じておきましょう。投資家の考える目標に到達しなくてはなりません。
物件を複数所有していると、持ち続ける物件と、売却して現金に換える物件とに分けることができます。物件の売却と購入の繰り返し、資産の入れ替えでも、不動産会社(担当者)が投資家の目的をよく知っていて、その希望や将来ビジョンを踏まえながら、この後
の戦略を投資家とともに練っていかなくてはならないのです。
その意味で、投資家と常に同じ目線で、管理を考え、出口戦略を練ることのできる不動産会社を見つけなくてはなりません。