自主管理を選択しない限り、何らかの形で関わることになる管理会社。しかし、オーナーから、管理会社との付き合い方がわからずに悩んでいるという声をよく聞きます。
ここでは管理会社との上手な付き合い方について紹介していきましょう。
まず結論から申し上げると、管理会社と上手に付き合うためには、ある程度場数を踏むことが大切といえます。つまり、経験を重ねていくことによって、知識や交渉術を会得していくものということです。
とはいえ、そもそも不動産経営はそれほど難しい仕組みではありません。要は入居者に入ってもらって家賃をいただくというビジネスなわけですから、あらゆる場面で「客商売のコツ」を知っていれば、そう苦しむことではありません。
現在、世の中には空室対策ノウハウが数多く出回っています。セミナーや書籍を通じて「○○すれば空室はなくなる」というアドバイスを見たことがある人は多いでしょう。なかには、空室対策を専門とした不動産コンサルタントもいて、空室に悩むオーナーから人気を博しています。
ただ、管理会社に空室対策を任せる場合、付き合い方には注意が必要です。
大半の管理会社は何百、何千戸という物件を管理しています。そこで「自分の顔と物件を覚えてもらわなければならない」「目立たなければ、自分の物件の存在を忘れられてしまう」と不安を抱き、“やる気のあるオーナー”であることをアピールするべく、管理会社に積極的に連絡をとったり、足を運びたくなる気持ちもわかります。
しかし、それが逆効果になる場合もあるのです。
不動産投資に限らず、人はコミュニケーションをとりながら仕事を行います。好感が持てて信頼できる相手がいる一方、どうしてもソリが合わない相手もいるものです。そんなとき、親身になれるのはやはり好ましく思う人ではないでしょうか。
会社員として営業畑を歩んできた人が不動産投資をはじめ、笑みを忘れず、適度なコミュニケーションを継続したところ、スムーズに経営できたという事例は珍しくありません。不動産経営も営業職と同様、基本的には“客商売”という視点が重要です。
いくら業務とはいえ、相手は感情のある人間です。必要以上にプレッシャーをかけることはするべきではありません。
「毎日電話をして、問合せ状況を確認する」「毎週訪問して、空室を埋めるように頼む」ということは、避けたほうがいいでしょう。管理会社への訪問は頻繁に行うよりも、適度な距離感を持って月に一回程度のほうが良い結果を出せるはずです。